第８６回全国野球選手権 決勝。
舞台を甲子園に移して８０年目の記念大会決勝戦は
史上初の春夏連続初出場優勝を狙う済美と、
北海道勢初の決勝に望む駒大苫小牧。
済美は春の王者らしく、競り合いを勝負強く勝ち上がってきた。
駒大苫小牧は日大三高、横浜と名門校を打撃で打ち勝ってきた。
初回から両チームの打撃が持ち味を出してお互いに点を取って
２−１と済美がリード。
しかし、苫小牧の先発岩田が決勝に望む気合が空回りしてなのか、
上ずる投球を抑えきれず、満塁にして、マウンドをサウスポーの
鈴木へ譲る。
しかし鈴木も四球、死球と押し出しをしてしまう。
これで、５−１と済美のリードが広がってしまい、王者済美が
このまま行ってしまいそうな
雰囲気が漂ってきたが、
そこは苫小牧打線はあの横浜涌井投手をＫＯしたチーム。
済美のエース福井も右の本格派投手。
涌井を打ち崩した苫小牧打線はやっぱりすごかった。
３回は糸屋、佐々木の連続長打で２点差。
４回も１点を返して１アウト満塁のチャンスで、糸屋の二遊間への
痛烈な打球が２塁走者に
当たり不運な守備妨害で得点が入らず、
流れは済美にいくと思われた。
が、キャプテン佐々木が起死回生の逆転タイムリー！！
ただ、逆転されて気合が入ったのか、５回にすかさず追いつき、
６回は２番小松がホームラン！！
これで苫小牧の鈴木は力が入るようになり、投げ急ぎ、３番水元、
この試合ここまでノーヒットの４番鵜久森の痛烈なライナーが
レフト線を襲う。
続く打者に連打を浴び、一挙３点！
前の準決勝も鵜久森のホームランの後逆転をした済美。
ホームランを打てば乗っていけるらしい。
この済美の流れを変えたのはやっぱりホームランだった。
６回ウラ、ランナー一塁から糸屋が小松とまったく同じところに
叩き込んだ。
その後も連打で福井をＯＫし、変わった藤村から同点タイムリー。
７回はツーアウトから佐々木が勝ち越し打続く打者も連打を浴びせ
３点奪取。
藤村では好調苫小牧打線は抑えることが出来なかった。
この回の途中から福井がマウンドに戻ることになる。
ついに苫小牧が１２−９大きくリード！
が、８回に済美も３連打でチャンスを作り犠牲フライで１点を返す。
まだ分からないこの試合だったが、８回のウラこの日売っても
ピッチャーのリードでも活躍の糸屋がタイムリーで再び３点差！
これで壮絶な打ち合いも終わった感があった。
でも済美もあきらめず、９回は２アウトながら１、３塁。
打者は鵜久森！
ここで一発出ればもちろん同点！
・・・だったがその初球、内角高めのボール気味のストレートを
思い切って振って高く上がった打球はシュートキャプテン佐々木の
グラブの中へ。
深紅の大優勝旗は箱根の山も越えられないといわれ続けたのに、
一気に津軽海峡を
越えて行った！
北海道代表で駒大といえば岩見沢だったと思っていた。
苫小牧は昨年一回戦で、８−０で４回までリードしたのに、
降雨コールドで再試合になり、再試合ではまったく打てず、
結局初戦敗退という悔しい思いをしていた。
。・:*:・°
今回の試合は終始すごく良かった！
エラーはひとつだけ、無駄な四死球も前半の苫小牧岩田だけ。
済美１９安打、苫小牧２０安打と想像を絶する打撃戦。
一歩間違えれば、一方的になったかもしれない試合。
両チームが自分を信じて監督が選手を信じていなければ、
甲子園の決勝という最高の舞台で両チームともにこれほどの
素晴らしい試合は出来なかったのではないかと思う。
両チームに心から賞賛を送りたい。
お疲れ様でした！ 感動をありがとう！
